Marvelous Act(2)

新潟市よりゆったりまったりお届けします。魚釣りは主にショアから。ルアーも餌釣りもしますがライトゲームやエギングをすることが多いです。パックロッドを愛用中。※当blogのリンクには広告が含まれています。


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オーナーばりの中の人に答えていただいたトリプルフックの概念。

先日のエントリで書いたオーナーばりの「つりばりサロン」ですが、ボクも質問をメールしてみましたところ、実に詳しくトリプルフックについて教えていただきました。この内容がとても勉強になりました。あまりの濃い内容で「アツく!」答えて下さり、これは皆様にもシェアせねば!と思い、ここに記します。

トレブルフックについて質問です。

トレブルフックには大雑把に言ってスプロートベンドの物とラウンドベンドの物があると思いますがこの使い分けはどのように判断したらよいのでしょうか?

シャンクやゲイプその他の寸法が同じとして、選ぶための概念が知りたいです。

ラウンドベンドは掛けやすさ、スプロートベンドは保持力に優れるといいますが本当のところはどうなのでしょうか?

以上、よろしくお願いします。

【スタッフ 吉成からの返答】

新潟県のY様。つりばりサロンにようこそ。

そしてトリプルフックについてのご質問ありがとうございます。

トリプルフックのゲイプ形状と、その機能性についてのご質問ですね。

まず形状を以下のようにおおまかに4分類させていただくことからはじめたいと思います。

①パーフェクトラウンド

とても素直でスタンダードなフトコロの形状です。製造メーカーにとって製造難易度が比較的低いため古い時代から使われてきた形です親しみのある形状です。海外の古い文献などでもよく見かけますね。

メリットとしては掛かりや、貫通力、ホールド感といった実践機能よりも、どんなスタイルのルアーにでも(オールドスタイルのものでも)マッチングがよく、ルアーを選ばないといった汎用性にあると考えています。

ナイロンライン使用などではいまだにファンは多いフックで、弊社ならST36がこれに近いといえます。クセがなく、ルアーを選ばないトータル性能に長けているといった印象です。

②ライムリック(リマリック)

弊社にはこのフォルムのトリプルフックは存在しません。トリプルフックに使用するフォルムとしてはあまり見かけないタイプです。フトコロにかなり鋭角なホールドポイントを持つもので、フックポイントを下にポジショニングできるメリットから、「瞬間的な掛かりに反応しやすい早掛けに特化したフォルム」と言えると思います。一方でライムリックのようなベンドカーブは貫通後ホールドした魚肉がその一ヶ所に集中しすぎること。また、ハリに掛かる魚のテンションが不規則になったときに、ストンと抜けてハズレてしまいやすいフォルムです。またPEで使用した際にはハリが一本しか掛からなかったときには魚肉を引き裂いてしまうといったいくつかのマイナス面もあります。

昔のウェットフライフックによく見られるフォルムです。瞬間的な掛かりに強い反面、ウィークポイントも増えてしまいますね。(参考画像太刀魚サーベルフックX)

個人的にはダブルフックで魚肉荷重を二本に分散すること前提の30度ほどの角度でのライムリックがあれば。かなりPEには有効かもしれないと夢想する状況があります。

③スプロート

パーフェクトラウンドとライムリックの中間的なフォルムです。ラウンドと比較してフックポイントのポジションを下げることができ、「コンッ」というような瞬間的な掛かりに反応し、かつ貫通後も魚肉を角に集中しすぎることのない、ほどよいバランスのデザインで愛用者の多いモデルです。どういうわけか釣り人の感受性にしっくりくる形状でもあるとも思います。弊社の商品ではこれに該当するのがST46、56、66、76などです。

(正確には3対7位の配分でラウンドとライムリックの中間よりライムリック寄りの設定にしてあります)

④STXスタイル

これについては、38、58、68形状と、45形状の両極端な二種類があります。

いずれにおいてもPEラインが全盛となった今、弊社のオリジナルと言いますか、私どもの経験的なこともふくめてPEライン独特の特性に寄り添った機能性を強く感じてご提案しているシリーズです。一言で説明するのは難しいですが、38型は肉切れを防ぐことでバラシを防ぎます。一方45型はコーナーに無理やり追い込むことで圧縮ロックでバラシを防ぎます。

詳しくは別項のSTXの説明文に表現させていただいてますので、ぜひともお読みいただき、PEラインで釣りをなさるならぜひもと試していただきたいフトコロフォルムです。特に圧縮ロックについての詳細は、その特性がバラシを激減させたという評価もいただけているので、ぜひとも知っていただければと思います。

以上の4分類がおおまかです。

あらためてスプロートとラウンドの使い分け、というご質問に対して申し上げれば、

上記のような特性を参考にしていただければと思います。

ナイロン、フロロ、PEなど、ラインの種類を問わずに、ざっくり言えば

・水と共にルアーを呑み込ませるような釣りに使うならラウンド、

少しショートバイトにも対応ということなら、スプロートということで良いのではないかと思います。

もちろん上記はゲイブのフォルム、ベンドカーブ周辺のお話ですが、つりばりはハリ先の向き(カーブかストレートか)によっても大きな違いは出てきます。トリプルフックも例外ではありません。

ハリ先の方向性や、しなりの有無なども、トリプルフックを選ぶ際には不可欠なことだと思いますので、あわせて関心をもっていただけると幸いです。

これについてすこし付け加えさせていただくなら、「飲み込ませる釣り」「スレを防ぎたい」「ナイロンの釣り」「掛かったあとのオートマチックな貫通力重視」

なら、カーブポイントを。

一方、「貫通力よりも掛かり重視」「スレでもいいから絡み付くアタリも掛けたい」「掴む魚肉の量を多くしたい」「PEラインへの反応」ならばストレートポイントをということなると考えています。

「掛かり」と「刺さり」は別のものですので、それぞれ特性があると感じております。

ゲイブフォルム、ベンドカーブのデザイン、あるいはハリ先の特性など、いろいろ試してお楽しみください。

今後ともSTとSTXよろしくお願いいたします。

■つりばりサロン詳細

http://www.owner.co.jp/news/23017/

#オーナーばり

#カルティバ

#つりばりサロン

こんなにも詳しい答えが返ってくるとは思ってもいなかったので感激しました。本当に、頭の悪いボクでも理解出来ました。成程知れば知るほどフックは面白い!です。

このオーナーばりの「つりばりサロン」は5月30日迄メールを受け付けています。フックを始め釣りに関して色々と分からないことや疑問点等があるかと思います。釣りのベテラン揃いのオーナーばりのスタッフさんがこんなにも丁寧に答えてくれる「つりばりサロン」、皆様もメールを送ってみてはいかがでしょうか。

詳しくはこちら↓まで。

リンク;http://www.owner.co.jp/news/23017/

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【トリプルフックの形状と機能について (前編) 】  【新潟県 Yさんからのご質問】 トレブルフックについて質問です。  トレブルフックには大雑把に言ってスプロートベンドの物とラウンドベンドの物があると思いますがこの使い分けはどのように判断したらよいのでしょうか? シャンクやゲイプその他の寸法が同じとして、選ぶための概念が知りたいです。 ラウンドベンドは掛けやすさ、スプロートベンドは保持力に優れるといいますが本当のところはどうなのでしょうか?  以上、よろしくお願いします。  【スタッフ 吉成からの返答】  新潟県のY様。つりばりサロンにようこそ。 そして トリプルフックについてのご質問ありがとうございます。   一通り書いたあとに文字数オーバーに気付き、前編と後編に分割させていただき返答させていただきます。 よろしくお願いします。    さて、トリプルフックのゲイプ形状と、その機能性についてのご質問ですね。     まず、形状を以下のようにおおまかに4分類させていただくことからはじめたいと思います。   ①パーフェクトラウンド  とても素直でスタンダードなフトコロの形状です。製造メーカーにとって製造難易度が比較的低いため古い時代から使われてきた形です親しみのある形状です。海外の古い文献などでもよく見かけますね。 メリットとしては掛かりや、貫通力、ホールド感といった実践機能よりも、どんなスタイルのルアーにでも(オールドスタイルのものでも)マッチングがよく、ルアーを選ばないといった汎用性にあると考えています。 ナイロンライン使用などではいまだにファンは多いフックで、弊社ならST36がこれに近いといえます。クセがなく、ルアーを選ばないトータル性能に長けているといった印象です。   ②ライムリック(リマリック)  弊社にはこのフォルムのトリプルフックは存在しません。トリプルフックに使用するフォルムとしてはあまり見かけないタイプです。フトコロにかなり鋭角なホールドポイントを持つもので、フックポイントを下にポジショニングできるメリットから、「瞬間的な掛かりに反応しやすい早掛けに特化したフォルム」と言えると思います。一方でライムリックのようなベンドカーブは貫通後ホールドした魚肉がその一ヶ所に集中しすぎること。また、ハリに掛かる魚のテンションが不規則になったときに、ストンと抜けてハズレてしまいやすいフォルムです。またPEで使用した際にはハリが一本しか掛からなかったときには魚肉を引き裂いてしまうといったいくつかのマイナス面もあります。 昔のウェットフライフックによく見られるフォルムです。瞬間的な掛かりに強い反面、ウィークポイントも増えてしまいますね。(参考画像太刀フックX) 個人的にはダブルフックで魚肉荷重を二本に分散すること前提の30度ほどの角度でのライムリックがあれば。かなりPEには有効かもしれないと夢想する状況があります。    ③スプロート  パーフェクトラウンドとライムリックの中間的なフォルムです。ラウンドと比較してフックポイントのポジションを下げることができ、「コンッ」というような瞬間的な掛かりに反応し、かつ貫通後も魚肉を角に集中しすぎることのない、ほどよいバランスのデザインで愛用者の多いモデルです。どういうわけか釣り人の感受性にしっくりくる形状でもあるとも思います。弊社の商品ではこれに該当するのがST46、56、66、76などです。 (正確には3対7位の配分でラウンドとライムリックの中間よりライムリック寄りの設定にしてあります)  ④STXスタイル  これについては、38、58、68形状と、45形状の両極端な二種類があります。 いずれにおいてもPEラインが全盛となった今、弊社のオリジナルと言いますか、私どもの経験的なこともふくめてPEライン独特の特性に寄り添った機能性を強く感じてご提案しているシリーズです。一言で説明するのは難しいですが、38型は肉切れを防ぐことでバラシを防ぎます。一方45型はコーナーに無理やり追い込むことで圧縮ロックでバラシを防ぎます。 詳しくは別項のSTXの説明文に表現させていただいてますので、ぜひともお読みいただき、PEラインでつりをなさるならぜひもと試していただきたいフトコロフォルムです。特に圧縮ロックについての詳細は、その特性がバラシを激減させたという評価もいただけているので、ぜひとも知っていただければと思います。   以上の4分類がおおまかです。

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【トリプルフックの形状と機能について (後編) 】  新潟県のY様へ、後編となります↓   あらためてスプロートとラウンドの使い分け、というご質問に対して申し上げれば、  前述(前編)のようなそれぞれの特性を参考にしていただければと思います。  ナイロン、フロロ、PEなど、ラインの種類を問わずに、ざっくり言えば  ・水と共にルアーを呑み込ませるような釣りに使うならラウンド、 少しショートバイトにも対応ということなら、スプロートということで良いのではないかと思います。   もちろん上記はゲイブのフォルム、ベンドカーブ周辺のお話ですが、つりばりはハリ先の向き(カーブかストレートか)によっても大きな違いは出てきます。トリプルフックも例外ではありません。  ハリ先の方向性や、しなりの有無なども、トリプルフックを選ぶ際には不可欠なことだと思いますので、あわせて関心をもっていただけると幸いです。  これについてすこし付け加えさせていただくなら、「飲み込ませる釣り」「スレを防ぎたい」「ナイロンの釣り」「掛かったあとのオートマチックな貫通力重視」 なら、カーブポイントを。  一方、「貫通力よりも掛かり重視」「スレでもいいから絡み付くアタリも掛けたい」「掴む魚肉の量を多くしたい」「PEラインへの反応」ならばストレートポイントをということなると考えています。   「掛かり」と「刺さり」は別のものですので、それぞれ特性があると感じております。  ゲイブフォルム、ベンドカーブのデザイン、あるいはハリ先の特性など、いろいろ試してお楽しみください。   今後ともSTとSTXよろしくお願いいたします。   ■つりばりサロン詳細 http://www.owner.co.jp/news/23017/  #オーナーばり #カルティバ #つりばりサロン

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