その方の訃報を聞いてから暫く・・・、何も出来ませんでした。
林圭一さん、2月27日に永眠。享年56歳。
この2年、病気と戦っておられたとの事。Webで書かれていた文章からは全くそんな事は感じさせませんでした。
日本のバスフィッシングの黎明期から活躍して、釣りの素晴らしさを伝え自然の大切さを伝えてきた方のあまりにも早すぎる死。本当に本当に残念でなりません。
ワタクシがパスフィッシングにのめり込んで数年後、何と一対一で何時間もお話しをさせて頂く機会がありました。
当時は河口湖へ2週間に1度は釣りに通い、食事は必ず林さんの友人の宮沢シェフが営む、当時河口湖畔にあった中国料理店「湖宮」へ訪れ、オーナーの宮沢岐シェフに色々と教わっていたのです。(釣り方は勿論の事宮沢シェフから破格値で魚群探知機を譲って頂いたり、エレクトリック・モーターのセットアップをして頂いたり、はたまた料理の事であったり・・・)
ある日の夕食時に林圭一さんがふらりと来店し、いつの間にか釣り談議に。まさかの伝説の、雲の上の存在の人が実に気さくに話しかけてくださり、気がつくととっくに湖宮の閉店時間は過ぎていました。
この時まだ発売前の製品の通称 目ん玉ワーム、ケイテック・ストレートを頂いてしまいました。このワーム、ものすごい釣れました。が、余りにも勿体なさ過ぎてこの頂いたパッケージのは全部使わずに数本を残してまだ手元に取ってあります。リトルスパイダーの開発秘話や、ダイワの新発売されたばかりの「ABSスプール」の話、バスフィッシング黎明期の話、フリッピングの話、フェンウイックの話、マッドペッパーマグナムの話、ワームの変形を防ぐ話、そしてダウンヒルの釣りの話・・・まだまだ沢山書ききれないくらい、教えて頂きました。
この時から初めてワタクシは「自分の釣り」が出来るようになったのです。
今ほどタバコに神経質な社会ではなかったその当時、河口湖町では何処も取扱のなかったタバコの「Keith」を無理矢理?取寄せ、その独特の甘い香りと紫煙をくゆらせて熱くバスフィッシングを語って下さった林圭一さん。
釣具商社を退職の後ルアーメーカーを立ち上げ、おそらく初めて世界で認められた日本製品を世に送り出してきたレジェンドの林圭一さん。
本当に、ありがとうございました。
御冥福をお祈りいたします。安らかにお眠り下さい。
やっぱり天国でもあの華麗なフリッピングで魚を釣りまくっているのかなぁ・・・?