釣りのオフシーズンという事で読書はぼちぼちしていましたが、まだまだ積んである本が何冊もあって、この学園ミステリー小説も、先月末発売で即買ったのに読み始めたのが今になってしまいました。米澤穂信の最新刊「巴里マカロンの謎」。
何と、「小市民シリーズ」としては11年ぶりの新作となります。米澤穂信といえば「古典部シリーズ」も好きだけど、こちらの「小市民シリーズ」も負けず劣らずに好みなので期待しながらページをめくりました。この「小市民シリーズ」は「春季限定~」「夏季限定~」「秋季限定~」と続いてきましたが今回「冬季限定~」とならなかったのは今回のストーリーズがボーナストラックみたいな物という事なのでしょうか。時間軸としては「春季」と「夏季」の間だということです。
このシリーズはタイトルに、今回のマカロンの様にスイーツの名前が付きますが、内容はスイートかと思いきや結構ビターなところが出てきて読み終わった後になんとも言えない味わいの余韻に浸るのです。このシリーズはミステリーとはいえ死人が出ないのが好きなポイントだったりもします。いわば日常系ミステリーとでも言うのでしょうか。
出版元の東京創元社のサイトにのっている内容紹介の一文はこの様になっています。
「わたしたちはこらから、新しくオープンしたお店に行ってマカロンを食べます。」その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小佐内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたのか?小鳩君は早速思案を巡らし始める……心穏やかで無害に易きに流れる小市民を目指す、あの2人が帰ってきました!
と、これだけを見るとライトノベルかと思ってしまいますが、読むとしっかりとミステリー小説なのでした。スイーツに纏わる四つの謎と共に綴られる小市民を目指す二人の日常譚、面白かったです。